【最強の男性ホルモン】テストステロンの作用と上昇のさせ方

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医学生SKB
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今日は男性ホルモンのテストステロンについて一緒に勉強してみよう。

テストステロンとは男性ホルモンの一種として知られています。男性はもちろん、女性でも卵巣、副腎などで作られています。テストステロンが人間にどのような作用をもたらしているか、論文でわかっていることを一緒に見てみましょう。

テストステロンの作用

良い作用

うつ病になりにくくなる

テストステロンなどを産生するのに強く関わる性線の機能が低下している、または活動性が低下している人ではテストステロンの低下につながり、不安障害、うつ病の有病率が高いことが報告されています(1)。そして前立腺癌などの治療に使用されている男性ホルモンを低下させるような薬を飲んでいる人も不安障害、うつ病障害を発生する可能性が高いことが報告されています。(2)

ストレス軽減作用

これもうつ病になりにくいことと関係しているかもしれませんが、不安を感じやすい女性に対するテストステロンの投与が不安傾向を改善することが報告されています。(3)

ストレス解消法は別の記事にもしてますので、ストレス解消したい人は参考にしてみてください。↓

脂肪減少 ダイエット作用

テストステロンを投与することで脂肪量が減少することが報告されています(6)。平均的に女性に比べて男性の体脂肪率が低い要因の一つにはテストステロンの作用が考えられます。基本的には男性は女性に比べて遥かにテストステロンが多いことがわかっています。

筋肉量 維持・増加作用

20歳を超えたあたりからテストステロン値が低下してきて、筋肉量が減少することがわかっています。高いテストステロン値を維持することで筋肉の減少を防ぐ、または増加することが期待できます。

悪い作用

異性にモテにくい?

意外なことにテストステロン値が高い男性は独身の人が多いことが複数の研究で報告されています。それと同時にテストステロン値が高い男性はより男性的な顔つきであることというデータもあります。これらに関しては結婚したのちにテストステロン値が下がっているのか、テストステロン値が低い人がより結婚しやすいのかなどのデータが見つからなかったので、一概にテストステロン値が高い人はモテないという結論にはなりません。

テストステロンを増加させる方法

運動をする

運動をすることでテストステロンが上昇することが報告されています(8)。軽いものでも効果があるようなので、日常に運動を少し取り入れることで高いテストステロン値を維持することができるかもしれません。また過度な運動はテストステロンを低下させるという報告もありますので、過剰は運動にはご注意ください。ちなみに過剰な運動とは月間ランニング距離200kmを超えるレベルのことを指します。テストステロン値が最も高くなるのはマラソンでは月間走行距離120~150km程度であることが報告されています(9)

生姜を食べる

生姜を食べることによるテストステロン増加が報告されています。しかしながら、まだ人での効果が確認されていません。嫌いでなければ、生姜を料理に少し加えるなど着替えるに行えるのでぜひ試してみてください(7)

まとめ

テストステロンが記憶や認知症に対して良い効果をもたらすかどうかの研究がされていますが、これまでの研究では効果があるかないかわからないような結果などが多くはっきりしたことが分かりません。今後、テストステロン作用のさらなる解明が望まれています。

非常に良い作用が多いテストステロンについて紹介しました。なんとか減少を防いでいきたいものですね。

References

(1)Shores MM. et al.  “Increased incidence of diagnosed depressive illness in hypogonadal older men.”  Arch Gen Psychiatry.2004;61:162-167.

(2)DiBlasio CJ. et al.  “Prevalence and predictive factors for the development of de no vo psychiatric illness in patients receiving androgen deprivation therapy for prostate cancer.” Can J Urol.2008;15:4249-4256.

(3)Erno J. et al. “Exogenous testosterone attenuates the integrated central stress response in healthy young women.” Psychoneuroendocrinology.2007;32;:1052-1061.

(4)Paul J.Rizk. et al. “Testosterone Therapy Improves Erectile Function and Libido in Hypogonadal Men.”  Curr Opin Urol.2017Nov;27(6):511-515.

(5)Maurand Cappelletti. Et al. “Incrasing women’s sexual desire: The comparative effectiveness of estrogens and androgens.” Horm Behav. 2016 Feb;78:178-193.

(6)Shalender Bhasin. et al.  “Older Men Are as Responsive as Young Men to the Anabolic Effects of Graded Doses of Testosterone on the Skeletal Muscle.” The Journal of Clinical Endocrinology &Metabolism.2005 Feb;90:678-688.

(7)“Ginger and Testosterone” Biomolecules.2018 Dec;8(4):119.

(8)Kunihiro Sakamoto. et al. “Effects of Physical Exercise and Cold Stimulation on Serum Testosterone Level in men.”  日本衛生学雑誌;1991(46):635-638.

(9)奥井伸雄.  “スポーツ大会被救護者と性きのう医学の関わりの研究〜運動ストレス性低テストステロン症” 日本性機能学会雑誌.2017;32:177.

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