誰でも起こりうる頸動脈プラークとその治療

ちょっと気になる日常医学

こんにちはSKBです。

皆さんは頸動脈プラークと言う言葉を聞いたことがありますか?

今日は頸動脈プラークとその治療について書こうと思います。

頸動脈プラークとは!?

頸動脈プラークとは心臓から脳へ伸びる太い血管である、総頸動脈、内頸動脈、外頸動脈などに脂質や中性脂肪などが蓄積する病態です。

頸動脈プラークが進行するとどうなるの!?

頸動脈プラークが進行すると以下のような病態が起こります。

  • 脳梗塞
  • TIA(一過性脳虚血発作)
  • めまい
  • ふらつき

頸動脈プラークでなぜ脳梗塞が起きるのかですが、頸動脈プラークは時として剥がれ落ちることがあります。この場合剥がれ落ちたプラークが脳血管につまり脳梗塞を引き起こします。しかし、多いのはこのパターンではなく、頸動脈プラークが一部破綻し、そこに血栓が作られ、その血栓が脳内にとぶことで生じる脳梗塞です。

内頸動脈から出てる枝に眼動脈と言う目を栄養する血管があります。この眼動脈に血栓が飛ぶと、目が見えなくなることがあります。しかし、これらの血栓は小さいものであることが多く症状としては一時的なものが多いとされています。こういった一時的な症状に留まるものをTIA(一過性脳虚血発作)と言います。このように一時的に目の前が真っ暗(暗黒感と言います)になるようなことがある人は脳神経内科、外科、循環器内科(心臓が原因である脳梗塞なども多いため、心臓も検査してみる必要があります。)などで検査されることをお勧めします。

そのほかにも脳へ血を送る血管が狭窄(狭くなっている)ため脳血流が低下することによるめまい、ふらつきといった症状が生じることもあります

頸動脈プラークの治療にはどんなものがあるの!?

内科的治療

内科的治療は薬を用いた治療が主となります。

  • 抗血小板薬(血液サラサラ薬)
  • 脂質異常症治療薬

血管内に発生したプラークを根本的になくす薬はありません。これ以上のプラークの蓄積を予防するための脂質異常症治療薬や頸動脈プラークの破綻を原因とした脳梗塞やTIAを予防するための抗血小板薬(血液サラサラ薬)を服薬することになります。

外科的治療

  • CEA(頸動脈内膜剥離術)
  • CAS(頸動脈ステント留置術)(およびPTA(経皮的血管形成術)

頸動脈プラークに対する直接的な治療としては大きく分けて二つあります。それはCEA(頸動脈内膜剥離術)とCAS(頸動脈ステント留置術)です。

CEAは全身麻酔で行われる手術です。首の皮膚を切開し、直接的に血管を出し血管に切開をいれ、一時的に血管を遮断し、血管内のプラークの塊を除去します。頸部には舌下神経や迷走神経といった重要な神経が通っているため、神経損傷のリスクや、一時的にではありますが、血流を遮断することもありますので、脳へ影響がある可能性があります。

CASは局所麻酔でも行うことができ、大腿動脈と言う鼠径部(股間の横)にある血管からカテーテルと言う筒を通して血管の中を通って首のプラークがある場所まで到達します。そしてステントいう筒をプラークの内側から広げることによりプラークにより狭くなった頸部の動脈を広げます。この時にバルーンという風船みたいなものを動脈の中で広げることにより血管を拡張するという手技も行われます。

まとめ

頸動脈プラークは動脈硬化などと同様に私たちの日常にありふれた疾患です。

しかし、実際に頸動脈プラークができて、症状が出るようになると非常に辛いものとなります。そのため、日常的に適度な運動を行うことや、食事に気をつけるといった基本的なことを今日から始めていきましょう。

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