飲む日焼け止めとは

「飲む日焼け止め」とはその名の通り、飲むことで日焼け防止効果を発揮する健康食品・サプリメントです。
通常の日焼け止めは体に当たる紫外線をカットして日焼け防止効果を得ますが、飲むタイプは体の内側から日焼け防止を促します。飲む日焼け止めは欧米で広がった考え方で「塗りむらがない」「塗り直しの必要がない」などのメリットがあり、近年注目を集めています。
薬局やネット通販で販売されているので、すぐにでも買うことができます。価格の相場は1ヶ月分で2,000〜3,000円あたりのものが多く、気軽に始めることが可能です。
本当に効果あるの?

飲む日焼け止めですが、実際のところ現時点で日焼けを防止する科学的根拠はありません。
というよりも正しくは
塗る日焼け止めに比べて、ごくわずかな効果しかない
という表現が正しいです。
塗る日焼け止めにSPF30〜50の商品がありますが、飲む日焼け止めはSPFに換算すると多くても1〜3程度しかありません。
そのため、「できるだけ日焼けをしたくない」という方が塗るタイプの日焼け止めに+αで飲むことで、少しでも日焼けを防ぐという目的で飲むべきものでしょう。
薬ではなく、健康食品・サプリメントであるという認識を持ったほうがよいでしょう。
飲む日焼け止めの成分
次にSPF1〜3と言った、根拠となる飲む日焼け止めの成分について解説していきます。
Polypodium leucotomos エキス

Polypodium leucotomos (PL)エキスは中央および南アメリカ原産のタデ科、 Phlebodium属のシダから抽出された成分です。もともとは皮膚疾患(乾癬やアトピー性皮膚炎など)の治療に伝統的に使用されてきました。しかし近年はその抗酸化作用による光防御剤としての注目が集まっています。
飲む日焼け止めとして有名なヘリオケアに含まれているのも、このPolypodium leucotomos エキスの1種であるフェーンブロックです。
こちらの論文ではPLエキスの経口投与後の光保護効果の検証をしています。
研究ではPLエキスの経口投与後、MED(皮膚に炎症が生じるまでの最小の紫外線量のこと)が投与前と比べて約2.8倍程度にしか増えていませんでした。
つまり
SPF2.8の日焼け止めということになります。
Nutroxsun(ニュートロックスサン)

Nutroxsun(ニュートロックスサン)は柑橘類とローズマリーから抽出された混合成分です。植物ポリフェノールは、紫外線 (UVR) による皮膚の変質を防ぐのに効果的であることがわかっています。
「UVB および UVA による皮膚の変化 (皮膚の赤みと過酸化脂質の減少) の減少と、皮膚のしわと弾力性の改善を示した」
という研究結果もあります。
しかし,,,
ニュートロクスサンの効果について被験者90人に対して行われたこちらの研究では
ニュートロクスサンの経口投与でMED(皮膚に炎症が生じるまでの最小の紫外線量のこと)が30から多くても45までしか増加していません。
これはSPFに換算すると1.5程度にとどまります。
論文内でも「ニュートロクスサンの長期経口投与は補完的な栄養戦略」と結論付けられており、単体で十分な日焼け防止効果を得られるわけではありません。

安全性は?副作用はないのか?

副作用等があったという論文は私が見た中では見受けられませんでした。
そのため比較的安全性の高いサプリ・健康食品だと考えられます。
しかし「消化管障害が報告されている」といった記事も見かけるので、絶対に安全とは言い切れません。また体質によってはアレルギー反応がでたり、妊娠中の方は注意が必要です。
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