こんにちはSKBです。病院で高血圧を指摘されて自宅で血圧を日常的に測っている人がたくさんいらっしゃると思います。そして自宅では血圧が低いのに病院では血圧が高いのはなんで?またはその逆で、自宅では血圧が高いのに、病院では血圧が正常なるのはなんで?などと思われている方もいらっしゃると思います。
実はそのような血圧の変動はよくある話で名前がついています。それは白衣高血圧や仮面高血圧と呼ばれています。
そもそも高血圧って?
高血圧とは一般的に140/90mmHgを上回る血圧を指します。どちらか一方でもこえていたら高血圧となります。
また血圧は家庭で測ったものを家庭血圧、病院で測ったものを診察室血圧と区別しています。
一般に家庭血圧は診察室血圧より5mmHg程度低くなる傾向にあります。
その原因についてはっきりと一つの要因だと言えるわけではないのですが、緊張などが影響していると考えられています。
白衣高血圧とは

白衣高血圧とは簡単にいうと、病院では緊張して血圧が高くなってしまう場合などを指します。
自宅(家庭血圧)では135/85mmHg未満の状態なのに、病院で測るとなぜか140/90mmHgを上回る場合を白衣高血圧と言います。
原因としては、緊張で交感神経が興奮して末梢血管の収縮などにより血圧が上昇すると考えられています。
従来、白衣高血圧は単なる緊張による一時的な血圧な変動に過ぎず、それによってなんらかの問題があるとは考えられていませんでした。しかし2019年のシステマティックレビュー(多くの論文のまとめ)では白衣高血圧の人は心血管イベント(心筋梗塞など)や死亡率が高いという報告もなされています(1)。
そのため、自宅で血圧が低いから大丈夫と安心せず、病院での血圧が高い場合は気を引き締めて、自宅での血圧測定を引き続き続けてもらい、生活習慣を改善できる部分は適宜改善する必要があります。注意点ですが、過度な運動は体への負担が多いため、病院に行って、どのような運動ならばしてよいかなどを尋ねましょう。科学的なデータに基づいた指導が可能となっています。
(1) Jordana B et al. Cardiovascular events and mortality in white coat hypertension. Ann intern Med. 2019 Jun 18;170(12):853-862
仮面高血圧とは

仮面高血圧とは簡単にいうと、病院だけ血圧が正常値で出てしまうものです。
自宅では高血圧なのに病院では正常血圧で測定されるため、高血圧が見逃されやすいのが問題とされています。
原因としては、自宅で測定するときには高血圧の薬を飲んでいない、または十分に効いていないため、測定値が高く出ます。それに対して、病院に行ったときには、高血圧の薬が効いており、血圧が正常値まで下がっている場合があります。
そのほかには、血圧の日内変動が原因ではないかと言われています。実は血圧は日中変動しています。
夜間は副交感神経が優位になるため、血圧が低下します。そして朝起床してしてから徐々に血圧が上昇していく傾向にあります。また日中のストレスなどでも血圧が一時的に上昇したりと変動が起こります。
これらの変動のため、病院での血圧が一時的に低くなってしまっている可能性があります。
仮面高血圧も、病院の血圧が低いから安心とはいきません。
こちらも2018年のシステマティックレビューとメタアナリシス(大規模な情報に基づいた信憑性の高い論文)で無治療の仮面高血圧の人は心血管イベント(心筋梗塞など)や死亡率が高くなるということが報告されています(2)。
そのため病院で血圧が低くても、家庭で血圧を測定し、家庭での血圧が高いことを病院でお医者さんに必ず伝えてください。
(2) Sante D. Pierdomenico et al. PROGNOSTIC VALUE OF MASKED UNCONTROLLED HYPERTENSION. Hypertension. 2018 Oct; 72(4): 862-869
まとめ
- 高血圧とは
- 白衣高血圧とは
- 仮面高血圧とは
これらについて話をしてきました。高血圧はもちろんのこと、白衣高血圧、仮面高血圧のいずれでも、健康上に問題が生じる可能性がデータで示されています。
しかし、そもそも、白衣高血圧、仮面高血圧などを知るためにも、自宅での継続的な血圧測定が重要になってきます。
毎日血圧を測定するのは大変ですが、ご自身の健康を管理する一つの重要な方法だと知っていただけたら幸いです。
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