コロナウイルスの流行により自殺者は増えたのか?【令和4年更新】

ちょっと気になる日常医学

最近気が滅入るニュースが多いですね。コロナウイルスが原因とは限りませんが、コロナウイルスによる自粛、オンライン授業、テレワークなどが人々へどのような影響をもたらしたかについて考えるための指標として自殺者の推移を見てみようと思います。

自殺者総数の推移

データ元:厚生労働省のデータよりグラフを作図

コロナウイルスが流行し始めたのは2020年の頭あたりからなので、2020年、2021年の自殺者数はコロナウイルスの影響を反映していることが予想されます

これを見ると2013年ごろから2019年まで自殺者総数は減少の一途を辿っていたにも関わらず、2020年に増加に転じ、さらに2021年も2020年と同じぐらいの数となっています。

正直思ったより増加した様子は伺えず、影響はないか、もしくは軽微な可能性があります。

どの年代で自殺者の変動があったのか?

グラフ:警察庁生活安全局資料より引用

グラフが少しみにくいですが、2019年から自殺者総数が増加に転じた中で特に増加しているのは20代の人です。

20代で仕事を頑張っていたり、仕事をしようとしている時にコロナなどで自分の将来の夢を絶たれた人がいるという報道はニュースでよくみていました。さらに、自粛により、本来は楽しく過ごせたであろう期間を一人で過ごし、精神を病んでしまった人などがいるのかもしれません。

男女別・職種別 自殺者数の2019年→2020年の推移

データを直接見るのは少し難しいので、個人的に気になったところを抜粋して説明します。

男女別自殺者数

グラフ:警察庁生活安全局資料より引用

実は2019年からコロナが流行し始めた2020年にかけて自殺者総数は増加していますが、男性の自殺者総数は減少しています。つまり女性の自殺者数だけが増えていると言えます。

さらにいうと成人女性が総数としては大幅に増えています。(表1より)

しかし、もっとも注目していただきたいのが、非成人年齢の女性の自殺者数の増減率が44%と他のものと比べて群を抜いて大きくなっています。

学生など若い女性などで自殺率が増加しており、その年齢に限れば、男性も増加しています。つまり、コロナ禍で自殺者が増えているのは、若者です。さらにその中でも女性が特に増加しているということがわかります。

年齢階級別自殺者数

元データ:警察庁生活安全局資料より引用

先ほど20代で自殺者数が増えていることを説明しました。

さらに詳しくいうと、50代、60代では自殺者数は減少していますが、他の年齢では増加しています。10代でも自殺者数は大幅に増加しています。若者と高齢者の2峰性の増加がわかります。

職業別自殺者数

元データ:警察庁生活安全局資料より引用

職業別の自殺者数です。

これは納得かもしれませんが、自営業・家族従業者の自殺者数は減少しています。では一体どのような職業で自殺者数が増加しているかというと、サラリーマンなど人に雇われている人、学生・生徒等、無職者などで増加しています。

割合としてもっとも増加しているのは学生・生徒等となっています。

まとめ

自殺者総数だけを見ると、自殺者はコロナ禍になってから、あまり変動していないように見えるかもしれませんが、若者、その中でも特に女性で大幅な増加を見せています。

今後追加されるデータなども合わせて分析していきたいですが、10代、20代へのケア・対策が急がれます。さらにいうと急激に増加している女性の自殺者をどのように減らす、または維持するかについて今後より一層の対策と検討が必要なことがわかりました。

この記事を読んだ教職員、子供を持つ親御さん、妹、弟をもつ人など、全ての人に関係ある話だと思います。どうか身近な人の変化について観察を怠らず、辛そうな人の力になってあげてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました