【日焼け止めって本当に効果あるの?】日焼け止めの効果的な使用方法!【現役医学生が解説】

ちょっと気になる日常医学

「朝、日焼け止め塗っておいたから今日は大丈夫だろう」

「SPFとPAが高いもの選んでおけば間違いないでしょ!」

と思っている人はいませんか?

実は日焼け止めは正しい使い方・選び方をしなければ、ちゃんと日焼け防止効果が得られません。

今回はそんな多くの人が知らない日焼け止めの効果的な使い方について解説していきたいと思います。

それではいきましょう!

日焼け止めって効果あるの?

顔の老化の約80%は日光への露出に起因します。肌の弾力性の喪失、肌の荒れと乾燥、不規則な色素沈着、深いしわの原因になります。https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0190962289702279

これを防ぐ目的として日焼け止めを使用することが効果的である」ということはある程度根拠となる実験があります。

オーストラリアで903人を対象に行われ

  • Aグループ:日焼け止めと30mgのβ-カロテンの毎日の使用
  • Bグループ:日焼け止めとプラセボの毎日の使用
  • Cグループ:日焼け止めと30mgのβ-カロテンの任意の使用
  • Dグループ:日焼け止めとプラセボの任意の使用

の4つのグループに分けられた被験者の皮膚が4、5年後にどれくらい老化しているかを調査した実験です。AグループはDグループより24%も老化が少なかったそうです。またβ-カロテンによる肌への影響は確認できず、抗酸化物質の食事は肌の老化防止には関連しないそうです。

結論としては日焼け止めは肌の老化を防ぐのに効果的ということがわかりました。

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紫外線の種類

紫外線はその波長によってUV-A、UV-B、UV-Cの3種類に分類されます。

UV-A:皮膚を黒化させる(いわゆる肌を黒くする)紫外線です。皮膚のより深い層に浸透することができ、即時の日焼け効果の原因にもなります。さらに、肌の老化やシワの原因にもなります。大部分が地表に届きます。

UV-B:皮膚に炎症を起こさせると言われている紫外線です。表層の皮膚層を越えて浸透することはできませんが、短期的な効果に加えて、皮膚の老化を促進し、皮膚癌の発症を促進します。オゾン層で大部分が吸収されますが、一部は地表へ到達します。

UV-C:他の2つに比べ、危険性は高いですが、ほとんどがオゾン層よりも上空で吸収されるため地表に届くことがありません。

SPFとPA

SPF:Sun Protection Factor(紫外線防御指数)

紫外線の防止効果を表す指標であり、紫外線を浴びた時,皮膚に赤い斑点(紅斑)ができるまでの時間を何倍長くできるかを示した値である。 紅斑は主に UV-B により生じるので, UV-Bに対する防御指数と考えることができる。(「自然科学基礎 (気象学)」より引用)

SPFは日焼け止めを塗らない場合に比べて、UV-Bからの防御効果を何倍有しているかを表したものです。

数値によって表され、SPF30であれば、塗ってない場合よりも30倍日焼けを遅らせます。

PA:Protection Grade of UVA(UV-A防御指数)

A領域紫外線によって起こる皮膚の黒化を防止する効果を表す指標である.SPFと同様の考え方でPFA( UVA Protection Factor)値が算出される.(「自然科学基礎 (気象学)」より引用)

PAは塗らない場合と比べて、UV-Aからの防御効果を何倍有するかを表したものです。

PFAはSPFと同様に数値で表され、PAは「PFAの数値に対応した+の数」で表されます。下の表を見てください。

PAPFA
PA+2以上4未満
PA++ 4 以上 8 未満 
 PA+++ 8 以上 16未満
PA++++16以上

これは「PAの+の数」と「PFAの数値」がどのように対応しているのかを表した表です。

例えば「PA++」であれば、「塗らない場合に比べて4〜8倍、UV-Aよる日焼けを遅らせる」ことができるということになります。

SPF・PAは高い方がいいの?

それでは「SPF・PAがどちらとも高いものを選んでおけば間違いないだろう」と思うかもしれませんが、一概にそういうわけではありません。

SPF・PAが高いものはその分、肌への負担も高いと言われています。なぜそうなるのかという理由に関しては日焼け止めに含まれている成分を考える必要があります。

日焼け止めに使用される成分としては2つのタイプが存在します。

紫外線吸収剤を使用するタイプ

紫外線吸収剤とは紫外線を吸収して化学反応を起こし、熱や赤外線に変えることによって紫外線が皮膚に到達することを防ぐ成分です。日本で使用されている日焼け止めの多くがこちらのタイプにあたります。肌馴染みがよく、使いやすいのが特徴です。

紫外線吸収剤に含まれる「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」「ケイヒ酸」がサンゴの白化(死滅)の原因となっていると研究結果が出ていたり、白内障や皮膚がんとなる可能性もあるとのことが分かり、問題になっています。

海外ではこの紫外線吸収剤が含まれる日焼け止めの販売を禁止する州もあったりします。

紫外線散乱剤を使用するタイプ

紫外線を皮膚表面で反射させることで日焼けを防ぐことができるタイプです。汗に弱い、べたべたする、紫外線を防ぐ力が弱い、白く浮くなどの短所があり、紫外線にあたると活性酸素を作り、肌を酸化させてしまう性質がある。

粘土や金属から作られている酸化チタン・酸化亜鉛などの天然素材であるが、皮膚や呼吸器から金属が体内に入って蓄積する可能性があり、問題視されている。

どちらのタイプにせよ、日焼け止めには肌への負担があると考えられる成分が含まれている。もちろんSPF・PAが高ければ、含まれる成分の量も多くなると考えられるので、一概にSPF・PAを高いものを選べばよいわけではないのです。

日焼け止めの塗り方

選び方

使用用途にあったSPF・PAを選ぶ

環境省の紫外線環境保健マニュアルによると、SPF・PAの選び方は上の図のようになっています。炎天下のレジャーなどではSPF30以上/PA++以上、屋外での軽い活動SPF10〜30/PA++〜+++、日常生活ではSPF10/PA+〜++あたりになります。

https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf

防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料などの添加物もチェック

日焼け止めに含まれる防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料などの添加物が症状の原因になることもあるため、そこもチェックする必要があります。

おすすめ日焼け止めを最後に載せていますので、ぜひ参考にしてみてください。

頻度

SPF・PAに関係なく、2〜3時間おきに塗るとよいでしょう。

理由は以下の2つです。

  • 汗などで流れ落ちる
  • SPF・PAは効果時間の指標ではない
  • 汗などで流れ落ちる

夏は暑いですし、当然汗をかくことも多いと思います。汗をかけば日焼け止めももちろん流れてしまいます。また海水浴やプールに行けばなおさらです。衣類と擦れてとれてしまう、皮脂で浮かび上がると言ったことも考えられます。

流れてしまえばその日焼け止めがどれくらい効果があったとしても、日に焼けてしまいます。

  • SPF・PAは効果時間の指標ではない

一般的にはSPFが1につき20分、日焼け予防の効果があると言われています。

しかし、これははっきり言って正しいとは言えません。

前述したようにSPFは塗らない時の何倍、日焼け防止効果があるかを表しています。何分日焼けを防いでくれるかという時間は関係ありません。

ではSPF1につき20分と言われているのかというと、単に「夏に日光にあたると15〜20分で皮膚が赤くなり始めるから」です。SPF1は塗らない場合と比べて1倍予防効果がある。つまり塗らない場合と同じなので、「20分間は皮膚が赤くならないよ」ということです。

塗る量

「肌面積1cm^2あたり2mg」が妥当だとされています。ざっくり言うと

顔で800mg(500円玉1個分)くらい

というのも、SPF・PAを測る日焼け止めの効果測定試験ではこの「2mg/cm2」という量が規定されているからです。しっかり記載通りのSPF・PAの効果を得ようと思った場合、それだけ塗る必要があるのです。

人間の顔の面積が約400cm^2と言われているので、「400×2=800mg」になります。日焼け止め800mgは大体大きさで言うと500円玉くらいなので、顔にはそれくらいの量を塗りましょう。

おすすめ日焼け止め

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こちらの日焼け止めの特徴は以下の通りです。

  • 無添加・ノンシリコン・石油系界面活性剤不使用
  • 紫外線散乱剤
  • SPF50+/PA++

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まとめ

日焼け止めについてまとめてみましたが、皆さんいかがでしたでしょうか?

日焼け止めについて理解を深めた上で、適切な使い方・選び方で使用することでより効果的に日焼けケアをすることができると思うので、今回の記事を参考にしていただけると幸いです。

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