こんにちはSKBです。今日は面白い論文を見つけてきたので紹介しようと思います。
チアリーダー効果という言葉をご存知でしょうか？アメフトなどのスポーツを応援するチアリーダーはとてもかっこよく魅力的に映る物です。しかし、一人一人をよく見るとそこまで飛び抜けて魅力的ではないと感じる人もいらっしゃると思います。ここにチアリーダー効果が隠れています。
チアリーダー効果とは
チアリーダー効果とは一人でいる時よりも集団内にいる時の方が魅力的に見える認知バイアスのことです。実際私たちの周りにもチアリーダー効果は使われています。一番よく見るのはアイドルグループです。一人一人を女優として売り出すよりも、集団を形成することで一人一人の魅力を増す効果を狙っている側面があります。
バイアスが気になった方はこちらの記事を参考にしてみてください↓
「集団の方が魅力的に見える」はそもそも正しいのか？
これについて調べた論文があります。
それは2013年のウォーカー・ドゥリュー とエドワード・バルらの「Hierarchical Encoding Makes Individuals in a Group Seem More Attractive」という論文です。
彼らは一人でいる時の写真と複数人でいる時の写真を被験者に見せることで、どちらの写真がより魅力的にうつるかを定量化（数値に起こす）していきました。
合計５つの実験が行われました。
実験１〜３：一人だけの写真と三人が一緒に撮った写真で魅力の比較
実験４：一人だけの写真とバラバラに撮影した個人写真の集合（4人、９人、１６人）
実験5:一人だけの写真と集団の写真を比べるが本人にモザイクをかけた方が魅力的にうつるかどうかを調べたもの
結果としては集団で撮った写真にいる方がより魅力的にうつるという結果が得られました。そして実験４も同様の結果を示しました。
つまり自分の顔をより魅力的に見せたければ、一人の写真を見せるよりも他の人の写真も同時に複数枚持っていって同時に見せる方がいいということになります。一緒に撮影した写真である必要はないというわけです。
有効な使い方の案としてはお見合いなどで写真を見せたりする時には自分一人の写真を提示するのではなく、家族で写った写真だったりを見せた方がいいということが考えられます。
そして4人、９人、１６人のどれが一番魅力的にうつるかも調べた実験４では大きな差は見られませんでした。つまり一人より4人、９人、１６人などの複数人の写真を同時に見せた方が自分が魅力的にうつるが、何人同時に見せるのが最も魅力的にうつるかには大きな差がないといえるかも知れません。
実験５も、一人より集団の時の方がより魅力的にうつるというのは共通でした。そしてモザイクをかけた方がモザイクをかけなかった写真よりも魅力的にうつるという面白い結果が得られました。
これは直感的にも理解できます。一般的にマスクをした方が魅力的に見えると言われています。この一つの要因として挙げられるのが、人は見えない部分を最も良く頭の中で補完して考えるからです。
これと同様に見えないから、想像でいいように補完している可能性が考えられます。
現代チックな有効な使い方としては出会い系アプリなどでは複数人で写った写真（勝手に人の写真を出会い系アプリに使ったらまずいのでモザイクはかけましょう）を使用し、自分の顔全てを見えるようにするのではなく、部分的に隠したりモザイクをかけたりすることでより魅力的にうつる可能性があります。
まとめ
今日はチアリーダー効果と根拠となる論文について書きました。
結論としては誰かに写真を見せるときに、自分をより魅力的に見せたかったら
- できれば複数人写った写真を見せる
- できれば自分の顔全てが写った写真ではなく、少し見えない部分がある方が魅力的にうつる可能性がある
- 一緒に撮った写真である必要はなく、複数人顔が写った写真であれば十分
といったことが考えられるかも知れません。くれぐれも悪用しないようにしましょう。
またこのチアリーダー効果は写真だけでなく、現実のチアリーダーでも効果を発揮していることから、一匹狼で一人でいる人よりも多くの人といる人の方が魅力的に見えるということも示していると考えられます。
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