医学生おすすめ 記憶力を上げる方法 6選 〜一歩踏み込んだ内容盛りだくさん〜

医学部式【勉強の極意】

こんにちはSKBです。

資格試験、受験勉強、仕事など我々は常に記憶することを求められています。

今日はそんな記憶を少しでも効率よくするために、記憶力を上げる方法を紹介したいと思います。

覚えたことをその場で一回思い出す勉強法

パデュー大学では単語を

①群:一回学ぶ。(意識的に覚えようとはしない)

②群 :一回学んで単語を思い出せるようにする。

③群:連続で3回勉強する集中学習を行う。

これら三つのパターンの学習効率を調べました。一週間後に①群では単語を覚えている人が約1%

に過ぎなかったのに対して②群の一度思い出すように暗記した群では20%以上の人が単語を覚えていました。

さらに驚くべきは②群と③群であまり差があまりみられなかったことです。

他にも本論文では連続に学習するのではなく時間を空けて勉強した場合についても触れており、時間を空けて勉強した場合には記憶の定着率遥かに良いということを明らかにしています。

勉強しっぱなしは非常に勿体無く、勉強したら、その場で即座に思い出せるように意識する。そして時間を空けてから学習(いわゆる復習)することが効率的です。

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運動により 記憶力UP

Maassらの研究によるとトレッドミルを使用した有酸素トレーンングを週に3回、12週間行った群とストレッチトレーニングを週に2回行った群で脳への血流量、記憶力の変化などを観察しました。すると有酸素トレーニングを行った群で記憶に密接に関わるとされる海馬への血流量の増加と一部の記憶力の増加が確認されました。しかしその効果は高齢になるにつれて限定的となりました。

これらのことから運動、特に有酸素運動で脳の血流量が増加し、同時に記憶力も向上していることが示唆されました。

また別の研究では高齢者限定にはなるのですが有酸素運動により筋肉からイリシンというホルモンが分泌が促され、このイリシンがアルツハイマーを改善する可能性も報告されています。

勉強の合間などに軽い運動を挟んでみたり、定期的な運動習慣を挟んで記憶力UPを図ってみてはどうでしょうか。

Vascular hippocampal plasticity after aerobic exercise in older adults - Molecular Psychiatry
Aerobic exercise in young adults can induce vascular plasticity in the hippocampus, a critical region for recall and recognition memory. In a mechanistic proof-...
https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles/db/seeds/descente35_15_iemitsu.pdf
Exercise hormone irisin is a critical regulator of cognitive function - PubMed
Identifying secreted mediators that drive the cognitive benefits of exercise holds great promise for the treatment of cognitive decline in ageing or Alzheimer's...

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線は一度は聞いたことがある方も多いのではないかと思います

これはドイツの心理学者Hermann Ebbinghausというが人が一度記憶したことを再び記憶し直すまでにかかるコストと時間の関係について調べたものです。

一度学んだことを完全にものにしようとすると、復習することが欠かせません。その時に、時間を空けてから復習をすると、時間がかかってしまいます。そこで記憶の定着効率を上げるためには、ある程度早期の復習が大切であるというものです。

しかしながら、期間を空けて学習することで記憶の定着率が上がることも報告されているため、即座に復習し続ける(集中学習)がいいというわけではありません。ある程度期間は空けるが、空けすぎると1から勉強することになるため、気をつけましょうぐらいの感覚に留めるのが良いかと思います。

ただ書いて覚えればいいわけじゃない

あーはいはい。書いて覚えるね。そんなの覚えられて当たり前じゃん。と思ったそこのあなた。私も同じようなことは思います。しかしこの項目を入れたのには興味深いデータを発見したからです。

北海道大学では日本とアメリカでの学習方法、特に書くことについて研究を行いました。もちろん書くことによる学習効果は高かったのですが、その中でもなぞり書きと通常の手書きなどでの効果の差を調べました。

結果はなぞり書きなどに比べて、何もなぞらずに単語を書くことが効果的という結果になりました。

私たちが文字を書いて暗記する際には、絶えず、文字の未来をイメージして書きます。それに対してなぞり書きではどうでしょうか。その未来予測をする必要がなくなります。そのためなぞり書きの効果が低くなったのではないかと推測しました。つまり私たちが学習するときはただ聞いたり、ただ書いたりするだけではなく、同時に頭を働かせるとより効率的になることが考えられます。宿題で同じ漢字を何回も書いて提出した記憶がある人も多いと思います。あの時に何も考えずに漢字を書くより、頭で漢字をイメージしながら書くことで効率的な学習ができることが示唆されます

それと同様に数学の解答などをただ模写するだけではなく、内容を注意深く観察しながら模写するなどの工夫が大切になります。

https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/44733/1/Ide51-1_25-29.pdf

寝ればいいってわけじゃない!睡眠サイクルの大切さ

睡眠により記憶の定着が良いということは数多く報告されています。今日はさらに一歩踏み込んだデータを紹介したいと思います。

睡眠におけるノンレム睡眠、レム睡眠(さらに4段階に分けられる)の段階と記憶すべき物事のタイプには対応関係があることがカリフォルニア大学のMatthew P.Walkerによって報告されました。例えば、視覚や知覚を用いた学習はレム睡眠を選択的に削るとパフォーマンスが低下することがわかりました。

規則正しい睡眠をすることによってレム睡眠、ノンレム睡眠のサイクルを規則正しく保ち、様々な種類の記憶定着を効率的に行うことが可能になることが考えられます。つまり同じ時間だけ寝れば良いというわけではなく、夜間しっかり寝ることの重要性が示唆されています。

実際に意図的に睡眠サイクルを乱すことで記憶のパフォーマンスの低下が引き起こされることが富山大学の田村了以の研究によって報告されています。

ScienceDirect
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/56/2/56_216/_pdf/-char/ja

人に教えるつもり勉強法

Learning pyramidという、効率的な学びを表した図があります。これはEdgar Daleが1946年に出したAudio-Visual methods in teachingに基づいたものです。

保持率 知識テスト前に行われた学習活動

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90% 他の人に教える/すぐに使用する

75% 学んだことを実践する

50% グループディスカッションに参加する

30% デモンストレーションを見る

20% 視聴覚体験

10% 読書をする

5% 講義を聞く

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89

この理論では人に教えることの学習効率を高く評価しています。一般に他人に教えるには、自身の深い理解が求められ、学習効果が高いと言われています。そこで人に教えるか教えないかは置いといて、「人に教えるつもりで勉強する」というものに注目が集まっています。

実際に学んだことをアウトップットすることは復習にもなりますし、非常におすすめです。ぜひ実践してみだくさいね。

まとめ

効率的な記憶に向けたヒントだったり、方法を紹介しました。

すぐに実践したくなるようなものだったり、なかなか実践しにくいものもあるかもしれませんが、少しでも実生活に取り入れることでより効率的な学習につなげて、各人の目標達成の一助となれば幸いです。

個人的には有酸素運動の習慣を取り入れてみたいと思いました。

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