お薬お届けサービスPillPack

ちょっと気になる日常医学

お薬お届けサービスPillPack

PillPackとは2013年に薬剤師のT・J・パーカーとエンジニアのエリオット・コーエンの二人がアメリカで起業した会社である。PillPackのサービスは服薬日時を記載し、個包装に分けた薬を患者宅へ届けるというものだ。定期的に服薬を継続していく慢性疾患の患者が毎月薬を買いに行く手間を解消、あるいは高齢老人がたくさん服薬する際の管理を簡単にするといったニーズがあったと考えられます。

 日本でも服薬する薬が非常に多く、何を飲んで何を飲んでいないかわからなくなり、薬を飲んだかどうかすら覚えていないなどといった服薬管理が問題とされています。このような問題から飲むこと事態が億劫になり、自己判断での服薬停止などが起こっているようです。PillPackのサービスはこういった問題を解決するための一つの手段として非常に有益だと考えられます。

今日の日本の医療現場でも薬剤師さんが一回分の薬を個包装する作業はあり、一包化(朝・昼・夕など、服用するタイミングが同じ薬や、一回で多数服用する場合など、薬を一袋ずつにまとめる。)と言われています。一包化するためには医師の指示が基本的には必要ですが、自費負担で一包化することは可能となっているようです。

しかしながらアメリカは車社会で、薬を買いに行くにも近くに薬局がなく、遠くまで車を運転して買いに行かなくてはならないという社会背景があります。このような背景もやはりPillPackができるきっかけの一つになったのではないかと考えられます。

なんだ、じゃあ日本には関係ないじゃないかと考えられた方もいらっしゃるのではないかと思います。

日本ではどこでも家の近くに薬局があり、コンビニに行くのと大して変わりません。しかし、今日の日本では超高齢化社会となり、厚生労働省のデータによると「65 ~ 74 歳の3割及び75歳以上の4割でそれぞれ5種類以上の薬剤が処方されている。」とあります。つまり多くの人が日常的かつ定期的に薬を購入している状態にあるといえます。

(厚生労働省データ:https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000568037.pdf

足が悪く家から近くの薬局に薬を買いに行くのさえ大変な状況にある家庭もたくさんあるのではないかと思います。そういった状況にある日本にも薬の一包化、宅配といったサービスは必要になってくるのではないかと思います。現在の日本では医師の処方箋が必要な医療用医薬品のネット販売を認めず、対面形式の販売でなければならないと定められており、実現するのは難しい状況です。しかし、これからますますその必要性は高まっていく可能性はあり、薬事法の改正にてPillPackのようなサービスが近い将来日本でも出てくるのではないかと期待しています。

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