投資ができる会社の種類
- 株式会社
株式会社とは出資者(会社を作り・運営するためにお金を出す人)と経営者(実際に会社を経営する人)が分かれています。そして会社の外部の人間が証券取引所で株式(会社が出資をしてもらうために発行する証券)を買えるようにしている企業を上場企業と呼びます。
それに対して証券取引所などで一般には販売していない未公開株や非上場株を会社関係者などに売る形を取るのが非上場企業となります。
つまり会社の外部の人間である私たちは上場企業に出資をして株式を購入することができます。
株とは
株の良さ 2つ
- 配当金がある
- 株価が上昇してから売却が可能
株とは会社が出資をしてもらうために発行する証券のことです。投資をした人はその恩恵として会社の利益の一部をもらうことができます。そして企業が成長して企業価値が高まることで株式の価格が上昇します。価値が上昇した株式を売却することでも利益を得ることが可能となります。
株のリスク 3つ
- 投資家への償還義務がないため、元本が戻ってこない可能性がある。
- 株価が下落したままになる可能性がある。
- 配当金、売却益に対して課税される。
出資をしてもらった会社はその出資を返済する義務がありません。そのため倒産などをした場合出資したお金を失うリスクがあります。そして上場株式などの配当金に対して税率約20%の課税がされます。売買の利益には「譲渡益課税」、配当金の受け取りに対しては「配当課税」が課されます。
証券取引所の種類
東京証券取引所
- 東証第一部(時価総額が高く流動性がある大企業が多い・企業実績有り)
- 東証第二部(時価総額が小さく流動性がやや乏しい中小企業が多い・企業実績有り)
- 東証スタンダード(新興企業・損益や規模など企業実績有り)
- 東証グロース(新興企業・将来性があるため上場している)
- 東証マザーズ(ベンチャー企業が多く、将来性がある)
名古屋証券取引所
福岡証券取引所
札幌証券取引所
日本には大きく分けて4カ所の証券取引所があります。しかし株式売買のほとんどは日本最大の証券取引所である東京証券取引所にて行われています。そして東京証券取引所は現在では一部、二部、スタンダード、グロース、マザーズの五つに分かれています。
一部は時価総額が高い大企業が、二部には中小企業などが含まれており、残りのマザーズ、JASDAQ(グロース、スタンダード)などは在籍する企業の区分けが一部重複するような形となっております。新興企業向けとしてマザーズとJASDAQ(グロース、スタンダード)がありましたが、その区分けの意義が薄れてきたため統合が図られるようです。
そのため2022年4月4日に下図のような市場区分の変動が行われる予定です。



ニューヨーク証券取引所(NYSE:New York Stock Exchange)
ナスダック証券取引所(NASDAQ:National Association of Securities Dealers Automated Quotations)
ニューヨーク証券取引所(NYSE)は世界最大の取引所です。多くの大企業が上場しています。
ナスダック証券取引所は世界最大規模の新しく設立された新興企業向けの証券取引所となっています。
株式投資
株式投資には大きく分けてパッシブ運用とアクティブ運用があります。それらについて説明します。
パッシブ運用
パッシブ運用とは個別の会社(個別株)に投資する人たちの平均を取ったような投資となります。つまり株価が上がった企業や下がった企業など多数の企業を同時に複数かつ多数運用する形となります。例えるならば、アクティブ運用は日本人の資産のくじ引きのような印象です。資産が大きい人を引き当てれば大富豪になれるが、借金がある人を引き当てれば大損となる可能性があります。そこでパッシブ運用をすると日本人の資産の平均の成果が出るということが期待されます。
このようにパッシブ運用は大きな得をすることは難しいが、大きな損失を出しにくく、リスクを減少させる役割があります。
インデックス運用
パッシブ運用はマーケット全体に連動することを目指すものであるが、インデックス運用は、目安となる指数である株価指数などの変動に合わせた運用の仕方です。株価指数とは証券取引所全体や一定の銘柄の集まりの株価の変動を表すものとなります。パッシブ運用の一部がインデックス運用と言えるかもしれません。
インデックス運用の良さ 3つ
- 信託報酬などのコストが低い
- リスクが低い
- 商品が豊富
コストが低い
また後述するアクティブ運用に比べてインデックス運用の方が運用を行うための信託報酬などのコストが低い傾向があります。
リスクが低い
多数の企業に分散投資する形となりますので、大きな得は得られにくいですが、大きな損失も出しにくいローリスク・ローリターンの投資となります。
商品が豊富
日本、米国の有名な株価指数を見てみましょう。
日本株式
- 日経平均(東証一部上場銘柄の中から選出された225社の平均の指標)
- TOPIX(東証一部に上場している日本企業に調整を加えた算出した指標)
- JPX日経400(日本企業400社を選出し調整を加え算出した指標)
米国株式
- NYダウ(ダウ工業株30種類の平均)
- ナスダック総合指数(アメリカの株式市場であるナスダックの全銘柄から算出した指標)
- S&P500(アメリカの株式市場であるナスダックとニューヨーク証券取引所から500社の時価総額を元に算出した指標)
このように日本、米国だけでも多数の株価指数があります。そしてそれぞれが一社ではなく、多数の会社に連動しています。このような商品が多数あることがインデックス投資の魅力の一つです。あなたが投資したい投資先が見つかる可能性が高いです。
そして株価は非常に流動的なものであるため、これらの株価指数を算出するための会社選びは非常に流動的なものの方が安心できます。例えば100年前から決まった会社を指標としている株価指数がどれほど信用できるでしょうか。
その点では米国株などではS&P500は広く分散投資することになり、リスクを軽減しさらに入れ替えも割と高頻度で行われているため時代遅れの投資とならずに済む可能性があがります。
このようにインデックス投資をする場合でも、それぞれの指標の特徴を捉えて投資をする必要があります。具体的にS&Pのチャートをみてみましょう。

S&P500は500社の時価総額を元に算出したものとなっております。そのため上図で示した約8年分の500社の時価総額は短期的には下落もありますが、長期的に上昇し続けている様子がわかると思います。
これらのことから株価指数であるS&P500などのインデックス投資は長期的には資産を増やせる可能性が高いと言われています。
インデックス運用のリスク 3つ
- 分散投資のため大きなリターンは望めない。
- 取引コスト・維持コスト・売却コストがかかる
- 元本割れの可能性がある
大きなリターンが望めない
インデックス投資はリスクを減らすために多くの企業に分散的に投資する形となります。そのため業績が悪化した企業などの影響も受け均一化するため大きなリターンが望めません。そのため短期では結果を出しにくく、長期間お金を投資している状態を維持しなければ利益が望めません。
コストがかかる
アクティブ運用に比べるとコストが低いとは言ってもインデックス運用にもコストがかかります。そして支払わなければならない信託報酬も流動的で無視することはできません。できるだけ信託報酬がやすい投資信託を選択することが必要になります。
元本割れの可能性がある
長期的な運用ならばここ数十年で元本が割れるような状況は少ないかもしれませんが、短期・中期では経済の影響などで株価が下がり元本を割る可能性もあります。そのためインデックス投資をする上では数十年は寝かせるつもりで投資をすることが推奨されます。
アクティブ運用
アクティブ運用とはパッシブ運用のように指標に基づいて行う運用を超える成績を狙う運用となります。
アクティブ運用の良さ 3つ
- ハイリターン
- 短期投資しやすい
- 世界経済が悪化していても利益を獲得できる可能性がある
大きなリターンが狙える
インデックス運用のように多数の会社に同時に投資するスタイルではなく市場、個別銘柄の調査・分析を行い投資する会社を自身で選定して運用します。そのため投資する会社はインデックス投資と比べて少なく、その少ない会社の業績に大きく成績が依存します。つまりハイリスクハイリターンの投資となります。投資先が大きな成長を遂げた場合は大きな利益をあげれる可能性があります。
短期投資しやすい
インデックス運用がリターンが小さい投資なのに対してアクティブ運用は大きなリターンをねらます。そのため短期投資でも資産を大きく増やすことが可能となります。市場の流れに乗った投資が行えたならば、短期で大きな資産を形成することも夢ではありません。
世界経済が悪化していても利益を獲得できる可能性がある
パッシブ運用は広く分散して投資しているため、全体としては世界経済の影響を直接的に受けます。アクティブ運用でも世界経済の影響を受ける可能性は十分ありますが、世界経済の影響を受けずに利益を出してくれる可能性があります。
アクティブ運用のリスク 2つ
- 短期間で資産が消失する可能性がある
- パッシブ運用に比べてコストがかかる
ハイリスク
アクティブ運用が短期間で成果を上げられるということは、短期間で資産を失うリスクを持つことを意味します。インデックス運用などの分散投資もなく、少ない企業に投資するため、その企業の営業成績が悪化した場合、資産を増やすどころか大幅に減少させるリスクが絶えず付き纏います。
コストが高い
アクティブ運用の投資信託は、運用のプロフェッショナルであるファンドマネージャが時間をかけた市場調査や分析などを駆使して成果を上げます。つまりアクティブ運用では人件費などのコストが多くかかります。そのためアクティブ運用を行うための運用コストはインデックス運用に比べて高いという傾向があります。
債権とは
- 債権→返済義務あり→利益は少ないが、リスクも小さい
- 株式→返済義務なし→やや利益が多いが、リスクも大きい
債権と株式の大きな違いは返還の義務があるかどうかです。債権は、満期日(返すと約束した期日)には投資家に額面金額が払い戻されます。この満期日のことを償環日といい、返還のことを償還といいます。投資家がお金を貸し付けている間は購入時にあらかじめ約束していた金利を得ることができます。
債権の種類
- 国債
- 地方債
- 社債
国債とは国が発行する債権のことで日本が発行する債権は「日本国債権」と呼ばれます。国債は新興国などでなければ、比較的安全な投資となります。個人で購入できるのは個人向け国債、新窓販国債で年間12回購入の機会があります。証券会社や銀行などの金融機関に国債専用の口座を開設することで購入申し込みが可能となります。国債には下表のように多数の種類があります。金利が固定のものや変動するものなど様々です。日本国債の変動10年の場合では年0.05%の最低保証金利が設定されています。
- 固定3年(満期は3年で金利は一定)
- 固定5年(満期は5年で金利は一定)
- 変動10年(満期は10年で金利は半年ごとに変動する)
参考元:横浜銀行
地方債とは地方公共団体などが発行する債権です。個人でも購入できますが、そもそも公共団体が債権を発行するかどうかは不定期でいつでも購入できるわけではありません。
社債とは企業が資金調達を目的として発行する債権のことです。株式を発行すると会社方針などを大株主に従う必要が出てくることになります。会社にとって社債を発行するメリットとしては経営に干渉されないなどが挙げられます。
債権の良さ 5つ
- 償還義務があるため元本が基本的には戻ってくる。(倒産などがあった場合その限りではない。)
- 債権の価値が下がっていても満期日まで待てば額面通り償還される。
- 満期を待たずして市場で売却することも可能。
- 銀行などの預金より高い利子により利益を得ることができる場合が多い。
- 株・FX(為替取引)などに比べるとリスクが低い。
基本的に元本は戻ってくる
会社が倒産した場合なども債権は優先的にお金が返還されるためにリスクが株式に比べて少ない投資となっています。しかしそれでも債権の発行元の信用に基づいて貸すことが必要となるため、債権ならば安心だと盲目的になってはいけません。
満期日までまてば額面通り償還される
債権の価格も流動性を持ちます。そのため、価値が下がってしまっている時もあります。株式ならずっと所持していても価格が戻らなければ損をすることになりますが、債権は満期日になれば当初貸し付けた額とが満額戻ってきます。
満期を待たずに市場で売却可能
債権は満期日前でも市場で売却して換金することも可能となります。緊急でお金が必要になった時、現在運用しているのより高い利回りの債権が発行されたためそちらに乗り換えたい時などに市場で売却することが可能なのはいい点です。しかし必ずしも買い手がつくとは限らないのには注意が必要です。
普通預金より高い利子
銀行にもよりますが普通預金の金利は年0.001%程度です。それに対して個人むけの日本国債の金利は最低保証が年0.05%となっており普通預金の5倍は見込められます。資金が大きければこの差は大きくなります。
FX、株式と比べるとリスクが低い
債権は基本的には元本が戻ってくることが多いので損をすることは少なくなっています。大きなリターンは見込めないかもしれませんが、比較的安全な資産運用とされています。
債権のリスク 4つ
- 満期日(1年、3年、10年など様々)まで買い手がつかず売却できない可能性がある。
- 新興国の財政破綻、会社が倒産などした場合は債務不履行で元本が戻ってこない可能性がある。
- 利子が少なく物価の上昇などの影響で総合的には利益がほとんど出ない可能性がある。
- 外貨建て債権の場合、為替レートの影響などで損失が出る可能性がある。
満期日まで売却できない可能性がある
債権の価格は流動性がある場合が多いですが、信用のない債権などの場合、購入希望者がおらず途中売却ができないことがあります。
元本が戻ってこない可能性がある
当然、国の財政破綻、会社の倒産などにより債務不履行となり元本が戻ってこないリスクはあります。信用できる発行元、契約を確認しましょう
物価の影響を受けやすい
日本は物価がそこまで上昇しておりませんが、世界では物価が上昇している国も多いです。そのため、長期的に低い利回りで資金をそのまま持っておくと相対的に資金が減少したことになります。
例えば2022年には100円を持っていてりんごが一個買える状態だったとします。百円を年利3%で10年運用した場合、10年後には130円となります。しかし10年後には物価が上昇し、リンゴ一個に200円になっていたとします。すると130円ではリンゴ一個も買えなくなります。つまり金額としては30円増加しましたが、価値は全体としては減る可能性があるわけです。利子固定型の債権にはこのリスクがあります。
為替の影響を受ける
また外貨建ての債権には為替レートの影響により元本割れとなる可能性があります。例えば額面1000ドルの外貨建て債権を1ドル100円の時に100000円で購入したとします。しかし償還時に円高で為替レートが1ドル90円だったとすると、1000ドル償還されても90000円となります。そのため利率次第では赤字となる可能性があります。
コモディティとは
コモディティとは、原油などのエネルギー、金銀などの貴金属、大豆などの穀物といった商品への投資を指します。
コモディティの種類
- 貴金属(金・銀・プラチナ・アルミニウムなど)
- エネルギー(原油・ガソリン・天然ガスなど)
- 穀物(大豆・トウモロコシ・小麦・砂糖など)
コモディティは英語で商品を表す意味で、上の表のようなものに投資することができます。
コモディティ投資の良さ 2つ
- 分散効果
- インフレ対策
分散効果
コモディティは一般には株式投資で用いられる株価指数などに連動しにくいとされているため、投資の種類を分散させることでリスクを減らすことができます。
例えば株式だけで資産運用をしている場合は、株価が下がったことで資産を大幅に減らすリスクがありますが、コモディティにも投資しておくことで資産の一部の減少を防ぐことができます。
投資の世界では「タマゴは一つのカゴに盛るな」という格言があるように、分散投資をすることでリスクを減らす効果があるのです。。
また2022年のロシアの他国への侵攻の際に株式市場がショック安になった場合などに金などのコモディティなどはその価値が上昇する傾向にあります。これもコモディティが分散投資の対象に選ばれる理由です。実際に下↓のGOLDのチャートを見てもらえばわかるように金は上昇しています。

それに対して同時期の日本の株式である日経平均は下落していることがわかります。

今回のケースでもコモディティ投資をすることでリスクを分散できた人が多くいらっしゃることが予想されます。
インフレ対策
またインフレ時にはお金の価値が下がり、金などの実物の価値が上昇する傾向があります。そのような事態に対してもコモディティはリスクを軽減できていることになります。
コモディティ投資のリスク 4つ
- 価格変動が予想しづらい
- 投資の選択肢が多くない
- 配当金がない
- それぞれの産地があるので為替の影響を受けやすい
価格変動が予想しづらい
コモディティ投資には様々なリスクがあります。まず価格変動が予想しづらいということです。穀物などでは急な天候や災害のリスクを受ける可能性もあります。天候や災害などを予想することは難しく、コモディティ投資にはその不透明さが絶えず付き纏います。
また商品ごとの需要バランスなどの影響も受けます。原油などのエネルギーは世界情勢により価格が大きく動きます。
投資の選択肢が少ない
またコモディティ投資には株のインデックス運用などのように多くの商品があるわけではなく、投資先の選択肢が少なく、自信が買いたいような商品が必ずあるとは限りません。その中で分散投資のために買わざるを得ない場合などもあるというのはリスクになると思います。
配当金がない
そしてコモディティ投資と株式や債権などとの大きな違いの一つは配当金がないということです。コモディティへの投資は株式市場が荒れている時の保険にはなるかもしれませんが、長期的にみて運用益が小さくなる可能性は高いかもしれません。
為替の影響を受ける
そして産地がそれぞれあり、商品の選択肢が少ないというのも相まって、為替の影響を受けやすいというのもリスクの一つになると考えられます。これも商品の種類の少なさが響いてきています。
まとめ
今日は株、債権、コモディティなどについて紹介しました。近年、論文などで我々が生きていく上でソフトスキルというスキルが求められているということが多数、報告されています。そのソフトスキルを鍛えるためにはマネーリテラシーを身につけると良いという報告もあります。私の記事でマネーリテラシーを高め、少しでも社会を快適に過ごしていただけたらと思います。
ソフトスキルについての記事はこちらから読めますので、よかったら参考にしてください↓
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